2019年~2020年に急激に利用者が増えたクラウドSIMを利用したモバイルWiFiルーター。
サーバー上にある大量のSIMを最も利用者に適した通信を選択してモバイルWiFiルーターに書込み利用するというものです。これらを活用することにより理論上は?速度制限にならないように事業者側で調整できるということで一部の会社が通信速度制限”無制限”のモバイルWiFiルーターとして販売。しかし利用者が想定を上回るほど増えたことで無制限が維持できなくなり大問題に発展したのが昨年の春頃それ以降続々とサービス中止、規約変更だったりが行われてかなりのイメージダウンとなってはしまいましたが仕組みそのものは利用者にもメリットがあるので今後も注目していきたいモバイルWiFiルーターといえます。
そして再びプラン、月額を変えて様々な会社がクラウドSIMモバイルWiFiルーターを取扱うようになっています。
クラウドSIMモバイルWiFiルーターはメリットも多い
クラウドSIMと聞くと難しそうな印象を持ちそうですがサーバー上に大手通信キャリアと契約してあるSIMがたくさんありその中から利用者に最適な通信キャリアを選択肢して繋げてくれるというものです。
大手通信キャリアというとdocomo、ソフトバンク、au です。基本この3社のSIMカードをサービス提供会社が契約しておりその都度切替えて利用するというものです。
切替えや通信キャリアの選択はすべて勝手にやってくれますしSIMを切替えることで通信速度制限にならないような使い方をサービス提供会社側で調整ができたというわけです。※実際はこれができなかったので大問題になりました
これはWiMAXや従来のMVNOと呼ばれている格安スマホ事業者の適用するモバイルWiFiルーターにはない特徴といえます。
クラウドSIMモバイルWiFiルーターのメリット
2020年12月時点でのクラウドSIMモバイルWiFiルーターのメリットを紹介します。
- 利用状況に応じて最適な通信キャリアを選択してくれるからエリアは最強
- 光回線提供外のエリアでも利用できる可能性がある
- 利用料金がMVNOなどの格安モバイルWiFiルーターぐらい安い
- 利用期間が短いケースが多い
利用状況に応じて最適な通信キャリアを選択してくれる
従来のモバイルWiFiルーターやMVNOモバイルWiFiルーターにはない特徴として挙げられるのが国内3大キャリアの中からその場所に最も適した通信キャリアを選んでくれるので使える範囲というのは間違いなくどのモバイルWiFiルーターよりも確実に広いといえます。
要するに大手3大キャリアが使えるということは1つのキャリアしか使えないモバイルWiFiルーターに比べると”使える可能性が最も高くなる”わけです。今は常にデータ通信をしたいという需要を持っている人も多いはずですからこのようなクラウドSIMモバイルWiFiルーターの利用が適している人は多いと思います。
光回線提供外のエリアでも利用できる可能性がある
上記の内容と重複しますがクラウドSIMを利用していることでそもそも光回線などのエリア外の人でもインターネット環境を作ることが可能になります。さらに3キャリアが常に使える状態でかつ最もその場所で適した通信を選択してくれるわけですから安心して契約することができると思います。
利用料金がMVNOなどの格安モバイルWiFiルーターぐらい安い
利用料金は安い傾向にあるのもクラウドSIMモバイルWiFiルーターの特徴だと思います。ただその分取扱っている端末の最大通信速度は遅い傾向にあります。当サイトとしてはそこまで最大通信速度を重要視していないのですが最大通信速度が速いほうがいい人はWiMAXを含むキャリアのモバイルWiFiルーターがおすすめです。
利用期間が短いケースが多い
これは端末、会社にもよりますがキャリアのモバイルWiFiルーターと比べると端末が安価なこともあり利用期間が短いケースが多いです。利用期間が短いこともそうですが解除手数料というのも端末が安いためにキャリアよりも安い傾向にあります。
デメリット
- 端末の最大通信速度は遅いことが多い
- 利用者側で通信キャリアの選択が不可能
- サービス提供会社の信頼度が低いことが多い
端末の最大通信速度は遅いことが多い
取扱っている端末にもよりますが最大通信速度が遅いことが多いです。これはMVNOが取扱っているモバイルWiFiルーターも同じぐらいです。デメリットですが通信速度が遅い分割安に提供できていると思うので利用者としてはプラスな面もあるかもしれません。あと遅いと言っても受信時最大通信速度150Mbpsくらいですので電波が普通に入る場所であればyoutubeやNetflix、Amazonプライムビデオなどの動画なども普通に見ることができる思います。
もちろん場所によりけりで使えないこともありますが速度としてはそこまで遅いものではありません。もちろんキャリアの最新端末と比べると遅いですがそこまで気にする内容ではないかなと思います。
利用者側で通信キャリアの選択が不可能
最も電波強度の高い通信を選択してくれるので間違いはありませんが通信キャリアはこちら側で一切選ぶことができません。最も適した回線に繋げると言われていますが実際にはそれが最適な回線なのかは利用者側で判断はできないので選択できないというのはデメリットにもなるかもしれません。
サービス提供会社の信頼度が低いことが多い
信頼というと何を根拠にと思うかもしれませんがちゃんと運用できるのか?というのはクラウドSIMでは重要な要素といえます。
特に2020年春頃に大問題が起きサービス休止になった理由はしっかりとしたリスク管理ができていなかったと再発防止の報告書にも記載されています。ある程度の規模感のある会社でかつ運用に関しての知識がある会社であれば申込みする側としては安心。ただ知らない会社だったりするとちょっと心配になりますよね?信頼できる会社を選ぶ上というのはクラウドSIMモバイルWiFiルーターでは大事になってくると思います。
中には有名で実績もある会社もありますがサービスを提供している会社の中にはあまり有名ではない会社も多いので信頼という部分ではちょっと、、、という会社があるのも事実です。
2020年春頃に起きたクラウドSIMモバイルWiFiルーターのトラブル
かんたんにまとめるとこんな感じのトラブルがありました。
- 無制限プランを展開して契約者を伸ばしていた
- 利用者の増加により無制限プランにも関わらず速度制限となるケースが増える
- サーバー切替えや、SIMの調達が遅れたことで通信障害が発生
- 行政指導
- サービスが突如終了
契約者が増加したのと無制限プランが目玉だったせいか想定以上の利用が起きたことが要因だったのとリスク管理ができていなかったということで無制限プランというのはなくなってしまいました。
そして今後もこのような無制限サービスはしばらくはでてこないのではないか?と私は考えています。
無制限で利用できるというのはクラウドSIMの特性を活用した消費者に寄り添った素晴らしいものでしたが、そもそも速度制限を設定している理由を考えれば完全に無制限の通信回線を作るのは無茶があったのかもしれません。
なお無制限プランはなくなってしまいましたがそれに代わる大容量が使えるプランは続々登場しています。
クラウドSIM系モバイルWiFiルーターは買いか?
管理人としては非常におもしろい仕組みだと思っています。キャリア系モバイルWiFiルーター、MVNOなどが展開する格安モバイルWiFiルーター、クラウドSIM系モバイルWiFiルーターという棲み分けをしていますが新しいジャンルでありかつ特徴がしっかりしている為多くの人におすすめしたいモバイルWiFiルーターといえます。
特に契約期間が短いプランも多く、使えるパケット通信量が多く、利用料金も割安な傾向が多いのでメインインターネット回線としても利用することができそうです。
MVNOなどの取扱っているモバイルWiFiルーターを購入するぐらいならクラウドSIMモバイルWiFiルーターがおすすめといえるケースが多そうです。
ただ先程もデメリットで紹介しましたが取扱っている会社が有名なところもあれば聞いたこともないような会社が運営していることも多いです。例えばWiMAXとかであれば取扱っている会社というのは審査をしっかりしているはずなので基本的に優良企業が多いのですがクラウドSIM系モバイルWiFiルーターはそうでもない気がします。
中にはしっかりした会社もありますがクラウドSIMモバイルWiFiルーターは運営面が大事ですので会社選びには慎重になったほうがいいと考えます。
まとめ
- 仕組みは素晴らしいが2020年春に大問題が起きた
- 3大キャリアを利用できるケースもあるので広いエリアで利用できる
- クラウドSIMモバイルWiFiルーターは買い
- 会社選びに注意