一見すると通信速度制限がなさそうなモバイルWiFiルーターがありますが実際には通信速度が制御されないモバイルWiFiルーターはありません。
このページではなぜないのか?解説するとともにどのようにして速度制限に対して向き合っていけばいいのかを解説していきます。
通信速度が制御されないモバイルWiFiルーターはない
スマホでもモバイルWiFiルーターでも利用者にとって悩ましい問題が通信速度制限です。通信速度制限はインターネットを利用が前提のサービスにも関わらず速度を落とされるので制限されてしまった人は非常にストレスが溜まります。
基地局の整備などによりひと昔前に比べて制限自体はかなり改善はされていますがそれでも利用者にとっては悩ましい問題だと思います。
そんな中で通信速度制限が”ない”ような表記のモバイルWiFiルーター(SoftBankAirも含む)もあります。ただ実際には通信速度が制御されないモバイルWiFiルーターはまず存在しません。なぜ存在しないのか?それは速度を制御しないと問題があるからです。
通信速度制限は大きく分けて2種類
そもそも通信速度制限は大きくわけて2種類あります。
- 決められたパケット通信量の上限を超えた場合の通信速度制限する
- 混雑時など利用が集中する時間帯など特定の通信を制御する
結論からいえば②はすべてのモバイルWiFiルーターにあると考えてもらっていいでしょう。携帯キャリアの回線を利用する限り全く通信速度が制御されない通信というのは基本的にまだ存在していません。ちなみに②に関してはサービス説明欄にしれっと記載されていることが多いです。
あと最近増えていたのは①のパケット通信量の上限がないというプランです。モバイルWiFiルーターではありませんがSoftBankAir(ソフトバンクエアー)とかも①に該当します。あとは最近よく見るのが3日間○○GB制限がないWiFi、月間○GB制限がないという文言のついたクラウドモバイルWiFiルーターです。
これらの多くはクラウドSIMと呼ばれるものを利用したモバイルWiFiルーターです。(当サイトではクラウドSIM系モバイルWiFiルーターと呼んでいます。)
ただこれに関しては今年の夏ごろに問題となったりして続々とサービスが終了、変更されています。なお変更後は月間パケット量制限が増えているプランが増えてきています。なぜ問題になったか?プラン変更が増えているのか?はそもそも通信速度制限がなぜ存在するのかを考えればなぜ通信速度制限がないプランが無謀?というか実現できないのかが理解できると思います。
制限がなくならない理由と向き合い方
そもそも通信速度がなぜ制限されるのか?かんたんに説明するとすべての利用者に安定的、かつ公平性のある通信サービスを提供する為です。
1つの基地局でカバーできる通信というのは決まっておりその基地局内で大量の通信を行う人がでてくると回線が圧迫されてパンク状態になります。そうするとその基地局内で普通に利用している人の通信回線の品質が悪くなるということが起きるわけです。
インターネット回線を使って利用する内容というのは人それぞれですが稀に大量のデータをダウンロードする人もいるそうでそのような人が増えてくると基地局の負担が大きくなります。
仮に払っている利用料金が同じにも関わらず大量のデータ通信を行っている利用者のおかげで他の利用者にも影響がでるというのは不公平だと思いませんか?
要するに混雑の緩和を減らしてすべての利用者に公平なサービスを提供するために通信速度を制御が存在します。例えば上記項目で紹介したパケット通信量の上限を設けたプランや、あまりに他の利用者と比べて大容量のパケット通信を利用している場合には事業者側の判断で制御することを謳うことで基地局の負担を減らすことができるのです。
しかしこのパケット量の上限を撤廃したり基地局の混雑状況で行われる通信速度の制御を行わないでいると、みんなが好き勝手インターネットに繋げて大量の通信を行うことが可能になりますが基地局が耐えきれなくなります。
我々消費者としては通信速度制限はストレスの溜まるものかもしれませんがこのように速度制御を設けるからこそ公平な通信ができていると考えれば少しは速度制御に対する考え方も変わるのではないでしょうか?
パケット通信量の上限が設けられていないモバイルWiFiルーターが減った理由
ここで紹介するのは上記でも紹介したような3日間○○GB制限がないWiFi、月間○GB制限がないことをうたい文句にしたクラウドSIM系モバイルWiFiルーターのことです。
これらは一時期かなり話題になりそして加入者を増やしましたが続々とサービス終了、サービス変更になってしまいました。
サービス終了した理由は利用者が増えすぎてかつその利用する人がパケット通信をバンバン利用したことが要因でその結果回線がパンク。パンクした会社は速度制限がないことをアピールしていたのに勝手にサービス変更で制限を設けたりし大問題となりました。
そもそも利用者目線からいえばパケット量の上限が定まっていないということは好き放題ネットをしたい利用者向けのサービスだったわけなので大量のパケット通信を行うのは当然といえば当然です。
そこで最近ではサービスを見直した会社が多く、それぞれのサービス内容を見ていると3日間の通信速度制限はないが月間○○GB使えて○○○○円といったサービスになってきています。これだと上限が決まっているので一部の利用者がパケットを使い過ぎるという問題なく利用者全般に公平なサービス提供が可能となるかと思います。
将来的にどうなるか?
現在進行形ではありますが5Gサービスが日本でもスタートしています。
5Gになるとこれまでとは比べものにならない程多くのデバイスと接続することとなります。5Gの特性としては大容量、高速通信などが挙げられますが当然大容量のインターネット通信を行う場合には制限はあると思いますが徐々に緩和されていくのではないかと予想します。
もちろんパケット容量を大量に使いかつ多くの人が利用しそうなサービスが誕生したならばもしかすると制限が厳しくなるということもあると思います。
ただ今現在は3G→4Gに切り替わるときよりも基地局の整備が進んでいるのと携帯キャリアの通信費を安くするという国からの指令があるので!?通信費を安くしながら使えるパケット通信量が増えていく傾向にあるかな?と考えます。
まとめ
- 通信速度が制御されないモバイルWiFiルーターはない
- 速度制御は必要。制御がないと公平なサービスを受けられない